今まで一緒に大森靖子の作品やライブをつくってくれた、絵描きの青柳カヲルが亡くなりました。
ルッキズムに抗って、顔が要らないと掻きむしる私に、いつも見映えではなく、実像としての美しい輪郭をくれました。
何枚も何枚も、仕事じゃないときも、衝動を与える度に描いてくれるので、私も歌い甲斐がありました。カヲが描いてくれるから、最新の私って美しいんだ!と自信をもらって、たくさんの人に「あなたは美しい」と歌うことができました。

生きることは優しさだから、どんな悪意を向けられても、全員許すと決めて今年をやり抜いてきたのも、ずっと支えてくれました。

生きてる人は許すけど、カヲは死んじゃったから、もう絶対許さない。私カヲのミューズじゃなかったのかよ。
怒りも愛と知っているから、私に許されないことを喜びそうなのもまたウザい!

絶対もっと美しい世界を、何度壊され続けても何回だって歌ってつくって、一緒に見晴らしのいい地獄を拝めないこと、後悔させてやりたいです。

“生きている愛を、世界を見下すがいい。”
新曲『stolen worID』の配信ジャケットが青柳カヲルの遺作となりました。
あまりにも綺麗で、
完璧主義で理想高くて実力もあるくせに、最後の最後で間抜けなのがカヲだったから、なんか美しすぎてそれもムカつく!ファンキーでキザなあなたをずっと愛しています。どんなに人生を上手く運んでも、どうしてもずっと死にたいという気持ちが消えない人は沢山います。私もその一人です。それでも、私はその人たちに、音楽で会いたいので、1番繋がれる人たちなので、いなくなったらさみしいです。どうかこの世界に居座ってください。お願いします。そして、繊細さを振りかざす気持ちは全くございませんが、ゼロからものを生み出す人を、もう少し大切に扱っていただければと思います。

大森靖子